- 著者
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佐藤 昇
柴田 昌弘
安戸 方邦
伊藤 健二朗
Sato Noboru
Shibata Masahiro
Yasudo Masakuni
Ito Kenjiro
- 出版者
- 新潟医学会
- 雑誌
- 新潟医学会雑誌 (ISSN:00290440)
- 巻号頁・発行日
- vol.126, no.5, pp.233-237, 2012-05
外肺葉から分化した神経管において, 中心管近傍の神経上皮細胞から分化した運動ニューロンは前角へと移動しつつ, 標的に向かって軸索を伸長する. 標的と接触した後, 約半数の運動ニューロンは「プログラムされた細胞死」を起こして死ぬ. この過程は, ニューロンがその標的である筋線維からのシグナルによってコントロールされる標的由来因子依存性の生存あるいは死である. さらにアセチルコリン受容体の競合的阻害剤であるクラーレ (d-tubocurarine) の投与によってこの時期の神経筋活動を抑制すると, この細胞死は完全に抑制され, 筋肉の神経分枝が発達し, シナプス (神経筋接合部) が増加する. 従って, 脊髄運動ニューロンの形態形成を考える上で, その標的である筋の形態形成を無視することはできない. すなわち運動ニューロンとその標的である筋は一体として理解することが重要である.