- 著者
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宇宙航空研究開発機構
Japan Aerospace Exploration Agency
- 出版者
- 宇宙航空研究開発機構
- 雑誌
- 宇宙航空研究開発機構特別資料 = JAXA Special Publication (ISSN:1349113X)
- 巻号頁・発行日
- vol.JAXA-SP-05-004, 2006-03-01
宇宙開発でこれまでに開発された技術は、単に宇宙開発だけで終わらずに、私たちの生活の、さまざまな場面で役立てられています。これがスピンオフ(SPIN OFF=技術移転)とよばれるものです。たとえば医療機器や照明装置などで使われるレーザー技術は、アポロ計画のとき、地球と月の距離を正確に測定するために生まれた技術でした。スペースシャトルの宇宙服の技術の応用からは、足への衝撃が少なく、ジャンプ力の高いバスケットボール・シューズが開発されています。さらに、コンピュータの高性能化、小型化は宇宙開発で生まれたIC(集積回路)のおかげです。このように、宇宙開発の過程で生みだされた新技術は、私たちの日常に数多く見ることができます。我が国においても、宇宙航空研究開発機構(JAXA)における研究開発の成果が、人々の暮らしや安全の確保、環境問題や医療・福祉、産業などに貢献している事例を見ることが出来ます。宇宙開発が今後、情報社会の進展などと共に一層高度化し、様々な分野に裾野が拡大していくことが考えられますが、それに伴って宇宙開発の成果も様々な形で人々のくらしや社会にますます貢献していくことが期待されます。この資料は、JAXAの宇宙航空に関する研究開発成果のスピンオフ事例だけでなく、国内の宇宙関連企業などによるスピンオフの代表的な事例や今後貢献が期待される研究開発の事例などを紹介するものです。