著者
金田 諦元 KANEDA Taigen
出版者
岩手大学人文社会科学部
雑誌
歴史と文化
巻号頁・発行日
pp.205-221, 1981-02-20

一九八〇年七月から二ケ月間、文部省短期在外研究員として西ドイツのミュンへン大学で研究資料調査に従事していたとき、たまたまドイツ語圏(西ドイツ、オーストリア、スイス)大学の全講義録が目にとまった。日本を離れてドイツという他国に身を置き、日本という国が今までにないはど強く意識されていたとき、ドイツ語圏の日本学教育の現状に強い関心が芽生えたのは、筆者が多年日本のドイツ語教育に携った一人であったからであろうか。ドイツの日本学研究者は日本学関係の新刊行物には絶えず注目し、講義の中でもそれに言及する時間を設定している。これは当然のことゝしても、われわれドイツ文学関係の翻訳の仕事に対しても注意しているほどであるから、日本人のわれわれ、特にドイツ語を理解するドイツ学関係者の誰かが、ドイツ語圏の日本学教育の現状に興味をおぼえても奇異なことではない。以下に記すものは一九七九年冬学期から一九八〇年夏学期に至る日本学教育の現状である。その前にドイツの日本学の学会についてのべる。