- 著者
-
杉山 あかし
KOGA Browes.S.P
KOGA-BROWES Scott
KOGA-BROWES S
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2009
入社プロセスならびに入社後の社内教育過程において、ニュース取材者の専門性や倫理観は形成されると考えられ、それはメディアの内容に直接反映されると考えられるが、ニュース制作者のあり方はこれまで明確ではなかった。テレビが現実についてのイメージを作り出すにあたって、テレビの内容を創り出す制作者の現実観は大きな影響を持っていると考えられるので、その人々のあり方を明らかにするのが本研究の目的である。具体的には、以下の項目に関する詳細な理解を可能とする情報収集を行なった;(1)テレビニュース制作者が職業上のこの立場を獲得する過程、(2)テレビニュース制作者の典型的な職業履歴パターン、(3)経営者・同僚から評価される個人的・専門的資質。本年度は、1、中堅現役報道カメラマンに同行取材し、長時間録画カメラにて本人のバックグラウンド及び学歴、今までの研究研鑽経歴を調べた。映像を作る際の基準や価値観、倫理観まで切り込んだ。/2、入社から退職までをカメラマンとして過ごした既退職カメラマンにインタビュー取材し、現在のカメラマンの在り方及び価値観と比較した。/3、人事採用担当者に採用基準をインタビューした。/4、入社内定者に入社前インタビューを行ない、テレビ局で働くイメージとキャリアへの展望を聞いた。/5、NVivoソフトを使って、インタビュー取材した映像をデータベース化した。/6、NHK資料館、TBS資料館、慶応大学メディア・コミュニケーション研究所、東京大学図書館(情報学際情報学環)を尋ね必要な資料を収集した。ただし、東日本大震災のため、テレビ局が多忙となり、当初予定したものよりも調査は小規模なものにならざるをえなかった。