著者
Kasahara Keichi
出版者
東京大学地震研究所
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.473-532, 1957-12-05

緒論.地震の振動に関する研究の進展について歴史的に考察を行つた.初期の段階においては,最も簡単な条件の震源に基づいて諸研究がなされていたが,その後理論及び観測両面が充実されるにつれて,次第に複雑な条件をもつ震源のモデルが用いられるようになつた.即ち初動分布の規則性が発見された為に,震源に作用する力にも方位性を考える必要が生まれ,叉球状震源に関する理論的研究は,地震動の波形や周期の有する意表を明らかにした.