著者
羽鳥 恵一 Keiichi Hatori
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.133, pp.173-195, 2020-05-31

精神科ソーシャルワーク実践の現場では,クライエントの抱えるスピリチュアリティへの配慮が求められる。本稿では,先行研究を紐解き,スピリチュアリティを取り巻く全体的状況を把握し,社会福祉学の歴史的変遷を概観することで,ソーシャルワーク実践がスピリチュアリティに基礎付けられていることを明らかにした。特に精神科ソーシャルワーク実践では,筆者が実際に関わった事例のように,特有な仕方での配慮が必要である。その際,ソーシャルワーカーには,自らの弱さや感受性の自覚が求められる。それによって,クライエントも私も同じ自他不二の存在であると気づくとともに,スピリチュアリティに配慮した実践が可能となるのである。論文(Article)