著者
孫 希叔 ソン ヒスク Son Heesook
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.126, pp.51-72, 2018-09-30

論文(Article)困難に直面した新人ソーシャルワーカーは,他者の有する経験から導き出した判断や対処を,自分が直面している状況に意図的に関連づけ,実践の中での振り返りを行っていた。その過程は,新人ソーシャルワーカーの内面的変化に至る過程であり,それによって意識的に生成された知は,新たな状況に対する自己の行動様式として再構築され,より洗練された実践へと移行していることが示唆された。Novice Social Workers with neither enough empirical knowledge nor skills were puzzled by "the deviation from the image originally held" and were unable to stand the "imposition of different values," and they thus felt frustrated with the "lack of good experience." They were trying to resolve the anxiety arising from their immaturity and weak minds by "compromising with the thoughts of different perspectives." and "relying on others." However, if they encountered difficult circumstances again without having the opportunity to compensate for the "lack of experience sharing" or the "lack of the ability to reflect" due to the "absence of someone to consult or who can be a support," they became exhausted mentally and physically, thus causing a vicious circle of "negative self-evaluation."
著者
口村 淳 クチムラ アツシ Kuchimura Atsushi
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.126, pp.1-13, 2018-09-30

論文(Article)本研究の目的は,他職種からみた生活相談員に対するイメージや期待する役割を把握した上で,生活相談員業務のあり方について検討することである。社会福祉法人A系列の特別養護老人ホームを調査対象にし,生活相談員以外の専門職から102通の回答を得た。分析の結果,生活相談員は他職種から,相談援助や連絡調整を中心とした役割を期待されている傾向があることが明らかになった。This study aims to examine residential social worker's expected roles from the other professionals viewpoints and to consider the direction of residential social work. The target of the questionnaire survey was a social welfare corporation affiliated special nursing home for the elderly, and 102 professions other than residential social worker responded. As a result of analysis, the following trend was revealed that residential social worker was expecting the role of consultation aid and coordination mainly from other professions.
著者
塩田 祥子 谷口 雄哉 シオタ ショウコ タニグチ ユウヤ Shiota Shoko Taniguchi Yuya
出版者
同志社大学社会学会
雑誌
評論・社会科学 = Hyoron Shakaikagaku (Social Science Review) (ISSN:02862840)
巻号頁・発行日
no.129, pp.29-43, 2019-05-31

論文(Article)高齢者虐待の被養護者の大半が、要介護認定を受けているにもかかわらず、ケアマネジャーから、地域包括支援センター(以下、包括)へ相談、連絡に至る件数は十分ではない。その理由を追及し、今後の高齢者虐待対応に活かしていく必要がある。そのため、実際、高齢者虐待対応にあたっている社会福祉士と、包括の外部スーパーバイザーがケアマネジャーから、これまで相談、連絡があった高齢者虐待事例を振り返る作業を行った。その結果、養護者、被養護者の特性、また、置かれている状況に応じて、ケアマネジャーの高齢者虐待の捉え方に差異があった。さらに、ケアマネジャーへのインタビューからは、地域包括支援センターの虐待対応等の動きが「見えにくい」という指摘があった。以上のことを踏まえて、日頃のケアマネジャーからの包括への信頼が、高齢者虐待対応にリンクしていることが分かった。それゆえに、包括の役割である「権利擁護の実践」と「ケアマネジャーへの後方支援」の円滑な連動が求められることを再認識した。さらに、社会福祉士自身が、ケアマネジャーを「同じ相談援助の専門職」として捉えきれているのかといった「ケアマネジャーへの視点」を確認していく必要性を感じ、そのことが日頃の「ケアマネジャーへの後方支援」の振り返りになると同時に、「権利擁護の実践」につながることがわかった。