著者
奥野 耕平 Kohei Okuno
出版者
同志社大学政策学会
雑誌
同志社政策科学研究 = Doshisha University policy & management review (ISSN:18808336)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.17-31, 2020-08-01

今日の文化財保護政策は、保存から積極的な観光活用へと転換している。しかし、これまで観光との観点からの文化財保護の意義に関する検討は不十分であった。本研究では、文化政策学的視座から柳田國男と宮本常一の民俗学的知見・思想を援用し、かつ批判的に継承することでその意義の再考を行った。文化観光を通じた文化財保護の意義とは、文化財の真正性と心意性を共に継承し続け、地域住民や後世の人々がより豊かに暮らせるまちにすることにある。