著者
磯田 恵子 松崎 孝世 吉田 禎宏 藤野 良三 斎藤 勢也 高橋 正倫 Naohiko HAYASHI Hiroshi FUKUDA Kunimi HAMADA Naohiko KUROKAMI Takashi NAGANO
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.2453-2457, 1989-11-25 (Released:2009-04-21)
参考文献数
14

最近経験した胆嚢ポリープ癌の4例を報告するとともに,過去10年間に当院外科で手術した胆嚢ポリープ様病変について検討した.内訳はコレステロールポリープ4例,腺腫3例,過形成1例,腺癌4例であった.切除標本ではコレステロールポリープは5mm以下の小病変が多く腺癌は1例を除き10mm以上であった.超音波検査では12例中10例に病変を描出しえており,コレステロールポリープはIaないしIIa型であり,IV型は全て腺癌であった.超音波検査で胆嚢内にポリープ様病変を認めた場合,5mm以下のもの及び5~10mmでもエコーパターンがI型のものは経過観察,II, III, IV型は悪性の可能性もあり手術適応である.また,10mm以上のものは手術を原因とする.手術を施行する際の術式として,術後に癌と判明した場合m, pmの早期癌では胆嚢摘出術のみでよいが,ss以上の進行癌では積極的に再手術を勧めるべきと考えられる.