著者
Le Trung TUYEN 大賀 光太郎 井清 武弘
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.133, no.6, pp.140-150, 2017-06-01 (Released:2017-06-29)
参考文献数
17
被引用文献数
2

2004 年5 月にホンタイ炭鉱で自然発火が発生して以降,ベトナムの四カ所の無煙炭炭鉱と一カ所の亜瀝青炭炭鉱で自然発火が続発している。これらに対処するため,筆者等は断熱環境下で石炭の酸化発熱試験ができる装置を使用して,各炭鉱の石炭試料について酸化発熱特性の試験を行っている。これらのデータについて実際に自然発火を発生している炭鉱の試料に注目してみると,150 ℃以下の低温領域の酸化反応速度が他の自然発火を発生していない炭鉱の石炭試料に比較して大きいことを見出した。即ち,低温域における石炭の酸化反応速度が自然発火の発生と深い関係があるという結論を得た。既存の自然発火性評価方法との比較も試みた。
著者
Le Trung TUYEN Nhu Viet TUAN 大賀 光太郎 井清 武弘
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.132, no.11, pp.167-174, 2016-11-01 (Released:2016-11-21)
参考文献数
13
被引用文献数
5

無煙炭は自然発火し難いと一般的に言われてきたが,ベトナムの無煙炭炭鉱においては2004 年以降,幾つかの炭鉱において自然発火が多発するようになってきている。筆者等は,これら全ての自然発火事象の調査と対策に関わってきている。また,亜瀝青炭を採掘する一炭鉱における数回の自然発火事象についても調査を行った。本論文では無煙炭の自然発火の特性を中心に検討を行う。この中で,無煙炭の自然発火の指標ガスとして,瀝青炭などに見られる炭化水素系ガスは発生せず,一酸化炭素と水素の二種類のガスに限定されることを明らかにするとともに,自然発火防止の観点から現場の採掘条件の問題点などについても検討する。