著者
Le Trung TUYEN Nhu Viet TUAN 大賀 光太郎 井清 武弘
出版者
一般社団法人 資源・素材学会
雑誌
Journal of MMIJ (ISSN:18816118)
巻号頁・発行日
vol.132, no.11, pp.167-174, 2016-11-01 (Released:2016-11-21)
参考文献数
13
被引用文献数
5

無煙炭は自然発火し難いと一般的に言われてきたが,ベトナムの無煙炭炭鉱においては2004 年以降,幾つかの炭鉱において自然発火が多発するようになってきている。筆者等は,これら全ての自然発火事象の調査と対策に関わってきている。また,亜瀝青炭を採掘する一炭鉱における数回の自然発火事象についても調査を行った。本論文では無煙炭の自然発火の特性を中心に検討を行う。この中で,無煙炭の自然発火の指標ガスとして,瀝青炭などに見られる炭化水素系ガスは発生せず,一酸化炭素と水素の二種類のガスに限定されることを明らかにするとともに,自然発火防止の観点から現場の採掘条件の問題点などについても検討する。