著者
Joke Ouwendijk Leo A. Ginsel Jack A.M. Fransen 山形 貞子
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.9, no.46, pp.223-232, 1997-03-02 (Released:2010-01-05)
参考文献数
95

小腸はデンプンからの生成物やショ糖を分解する重要な場所である。スクラーゼ-イソマルターゼ (SI) は小腸の上皮細胞の刷子縁に発現している膜貫通II型糖タンパク質である。SIの特殊な構造と独特な発現の仕方が、いくつかの細胞生物学的反応についてのモデルとして理想的なタンパク質にしている。この総説では次のトピックスをとりあげようと思う。i) SIの独特な構造、ii) このタンパク質の独特な発現の仕方とその制御、iii) SIが膜の頭頂部へ輸送される際の頭頂部輸送機構の役割、iv) 先天的SI欠損症の原因となる輸送をできなくする機構、v) 細菌毒素がSIに結合する時に起こる情報伝達カスケードにおけるSIの役割。