著者
永田 雅彦 柴田 久美子 入交 眞巳 Luescher Andrew U
出版者
Japanese Society of Veterinary Dermatology
雑誌
獣医皮膚科臨床 (ISSN:13418017)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.13-16, 2001

アレルギー性皮膚疾患と診断されていた猫2例に精神的要因の関与を認めた。1例目は10カ月齢, 雌のラグドールで, 3カ月齢より舐性行動や過敏症候群がみられた。アレルギーが疑われたが種々のアレルゲン回避で改善がなく, 精神療法と塩酸フルオキセチンなどで略治したことから精神的要因の関与が示唆された。2例目は4歳齢, 避妊雌の雑種猫で, 1年前より非定型的な好酸球性肉芽腫がみられた。初発時にノミ寄生と皮膚炎がみられたがノミ防除で改善せず, 複数のアレルギーを考慮した。除去食も有効であったが腹部の対称性脱毛が持続し, 精神療法と塩酸フルオキセチンなどで略治したことから精神的要因の関与が示唆された。
著者
永田 雅彦 柴田 久美子 入交 眞巳 Luescher Andrew U.
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医皮膚科臨床
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.1-4, 2000
被引用文献数
3

アトピー性皮膚炎と診断されていた犬に精神的要因が関与していた2症例に遭遇した。第1例は6カ月齢, 雄の柴犬で3カ月前より四肢の舐性行動がみられた。臨床像よりアトピー性皮膚炎が疑われたが, アレルギー検査は陰性で, 生活歴より強迫性障害と診断し, 行動矯正により略治した。第2例は6歳齢, 雌のシー・ズーで3年前より皮膚病がみられた。臨床像はアトピー性皮膚炎に合致し, アレルギー検査でコナヒョウヒダニ陽性であった。治療により改善を認めたが, エピソード的な掻破行動が反復。生活歴より強迫性障害と診断し, 行動矯正およびクロミプラミンにより略治した。