著者
宮川 道夫 川田 洋平 Mario Bertero
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-2, 情報・システム 2-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.7, pp.1512-1521, 2001-07-01
参考文献数
17
被引用文献数
10

チャープパルスと信号処理技術を用いて生体の内部構造及び温度変化量の分布を計測するチャープパルスマイクロ波CT(CP-MCT)によって獲得されるCT画像を数値計算により求める手法を開発した. ガウスパルスを用いて送受信アンテナ間の余効関数をFD-TD法により計算し, これに時間軸で入カチャープパルス信号を畳み込み, 実測と同様の信号処理を行って1点の計測信号を生成する. この計算を並進走査軸の各点で繰り返し, 投影データを得てCT画像を生成する. 余効関数法と名づけたこの計算手法の妥当性を, 分解能や温度変化量計測の実測結果とそれを模擬した計算結果とを比較することによって示した. 余効関数法を用いれば, 実測が困難な撮像系の点広がり関数を求めることも可能である. また, ヒト頭部の解析モデルを作成して減衰量分布や温度変化量分布のシミュレーションを行い, CP-MCTによる生体撮像の可能性について検討した.