著者
松田 真希子 中川 郷子 Matsuda Makiko Nakagawa Kyoko
出版者
金沢大学留学生センター
雑誌
金沢大学留学生センター紀要 = research Bulletin, International Student Center Kanazawa University (ISSN:13496255)
巻号頁・発行日
no.21, pp.29-42, 2017-03-01

現在日本の小学校の特別支援学級には数多くの外国にルーツを持つ児童(CLO児童)が在籍している。CLO児童は一般的に一時的なダブルリミテッド状況にあるのか機能的障害なのかの見分けがつきにくく,特別支援学級に誤配躍されるケースが多く見られる。特に集住地区である東海地区においては,多くのブラジル国籍の児童が特別支援学級に在籍している。本研究では,日本の学校の特別支援学級に在籍,または発達障害と見られている日系ブラジル人児童6名に対し,ポルトガル語と日本語の言語能力調査と,ポルトガル語と日本語による知能検査(WISC-N)を行った。その結果,IQ, 行動観察共に障害がないと思われる児童が2名いた。また,CLO児童は言語相補的にパフォーマンスが現れる可能性があることが明らかになった。この結果よりバイリンガルテスターによる発達アセスメントを行う必要性があることが示唆された。