著者
松田 真希子 松田 佳子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.36-37, 2016 (Released:2016-12-22)
参考文献数
6

In recent years, task-based Japanese teaching materials, such as Dekiru Nihongo (DK), have been published. This study provides a practical report of an intensive Japanese language program using the textbook DK for international university students, comparing it with the program that uses Minna no Nihongo (MN). The results indicate that students can improve their listening and production skills more by using DK, less grammatical knowledge is provided in DK, and academic contextualization is required to fulfill students' learning needs.
著者
松田 真希子 タン ・ティ・キム・テュエン ゴ ・ミン・トゥイ 金村 久美 中平 勝子 三上 喜貴 Makiko MATSUDA Thi Kim Tuyen THAN Minh Thuy NGO Kumi KANAMURA Katsuko NAKAHIRA Yoshiki MIKAMI
雑誌
世界の日本語教育. 日本語教育論集 = Japanese language education around the globe ; Japanese language education around the globe (ISSN:09172920)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.21-33, 2008-06-30

本研究は、ベトナム人日本語学習者のための日本語の漢語とベトナム語の漢越語の対照分析である。現代ベトナム語は漢字を使用しないが、語彙には漢語からの借用語(漢越語)が多いため、韓国語・日本語と同様に漢字文化圏に属する。そのため、ベトナム語母語話者は、日本語を学ぶ際に学習ストラテジーとして漢越語知識を活性化させていることが明らかになっている(Tuyen 2003)。しかし、実際に漢越語知識がどの程度日本語学習に効果があるかはまだ明らかにされていない。そこで本研究では、ベトナム人学習者が日本語を学ぶ際、漢越語の知識がどの程度日本語学習に役立つかを明らかにすることを目的に、日本語能力試験出題語彙全約8,000語に占める二字漢字語約4,000語における漢越語との意味の一致状況を調査した。その結果、 (1)二字漢字語においては全体の5割が一致語や類似語である。 (2)1級と2級の二字漢字語については日越漢語の一致や類似が6割近くに達し、更に語彙全体に占める二字漢字語の比率も1級56%、2級46%と高くなっている。 (3)4級語彙については日越の漢字語彙の一致度は多くとも2割以下である。3級も同様に一致度は低い。 (4)和製漢語と漢越語の一致率は6割以上であり、学術専門用語であれば更に一致する可能性がある。ということを明らかにした。これにより、漢越語知識は日本語の習得に役に立つが、特に効果が発揮されるのは中級以降であること、また学術専門用語の学習には漢越語知識が役に立つ可能性が高いことが明らかになった。ただし日本語学習における漢越語の効果については個々の意味の対応の調査だけでなく、書字や音との関係性も踏まえて漢字語彙の認知処理の状況を調べる必要がある。今後の課題である。
著者
松田 真希子 林 良子 渡部 倫子 金田 純平
出版者
金沢大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では日本語教育のためのデータマイニング技術開発を目的に、[1]既存データマイニング技術の日本語教育研究への応用可能性の検討、[2]既存ツールのカスタマイズ、[3]ツール開発、[4]マニュアル開発を行った。その結果、[1]ではKh-Coder,SVtoolsなどを用いた日本語教育研究への応用研究を行い、有効性を示した。[2]では日本語学習者誤用換言対データを約3000対開発した。[3]では日本語学習者アクセントの自動評定技術開発を行った。[4]ではマニュアルを一部Web公開した。学術的成果としては、6件の学術論文の発表、11件の学会発表等を行った。
著者
マイサラビンティカマール 松田 真希子
出版者
金沢大学留学生センター = International Srudent Center Kanazawa University
雑誌
金沢大学留学生センター紀要 (ISSN:13496255)
巻号頁・発行日
no.19, pp.69-78, 2016-03

A smooth shifts from beginner's Japanese class to technical Japanese education is a challenge for overseas preparatory education organization. This paper compares and focuses on the usage of causative expressions which appears in the beginner's level Japanese textbook, "Minna no nihongo" and physics textbook used in preparatory education. The results, [1] The causative expression is introduced in simple sentence in Beginner's Japanese textbook, but 92% of the causative expression in the Physics textbook appears in complex sentences, [2] They appear not only in simple finished sentence but in attributive modifier form, predicative form, -C form and others, [3] In beginner's Japanese textbook, causative expressions are mainly 'person vs. person' but all the causative sentences in the Physics textbook were identified as 'person vs. thing' , [4] Different chapters in the Physics textbook such as "Thermodynamics", "Electric Current and Magnetic Field" shows different frequency in the usage of causative expression. A smoother shift in preparatory education is possible by considering these results into beginner's Japanese class and technical Japanese education.
著者
松田 真希子 高橋 智恵 湯川 高志 三上 喜貴
出版者
Japanese Society for Engineering Education
雑誌
工学教育 (ISSN:13412167)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.5_56-5_60, 2009 (Released:2009-10-05)
参考文献数
7

In this paper, we analyzed the features of the adoption strategy in creating Japanese technological terms, by comparing with those of other Asian countries. In addition, we investigated how those technological terms are used differently in each engineering field. As a result, in adopting technological terms, phonetic adoption is found more often in Japan (especially in the new research fields like IT) . In contrast, semantic adoption is found more often in China and Vietnam. It is also found that architecture field shares many terms with civil engineering, and electrical field shares many terms with communication. Those findings are quite useful to the engineering education for foreign students.
著者
松田 真希子 中川 郷子 Matsuda Makiko Nakagawa Kyoko
出版者
金沢大学留学生センター
雑誌
金沢大学留学生センター紀要 = research Bulletin, International Student Center Kanazawa University (ISSN:13496255)
巻号頁・発行日
no.21, pp.29-42, 2017-03-01

現在日本の小学校の特別支援学級には数多くの外国にルーツを持つ児童(CLO児童)が在籍している。CLO児童は一般的に一時的なダブルリミテッド状況にあるのか機能的障害なのかの見分けがつきにくく,特別支援学級に誤配躍されるケースが多く見られる。特に集住地区である東海地区においては,多くのブラジル国籍の児童が特別支援学級に在籍している。本研究では,日本の学校の特別支援学級に在籍,または発達障害と見られている日系ブラジル人児童6名に対し,ポルトガル語と日本語の言語能力調査と,ポルトガル語と日本語による知能検査(WISC-N)を行った。その結果,IQ, 行動観察共に障害がないと思われる児童が2名いた。また,CLO児童は言語相補的にパフォーマンスが現れる可能性があることが明らかになった。この結果よりバイリンガルテスターによる発達アセスメントを行う必要性があることが示唆された。
著者
庵 功雄 イ ヨンスク 松下 達彦 森 篤嗣 川村 よし子 山本 和英 志村 ゆかり 早川 杏子 志賀 玲子 建石 始 中石 ゆうこ 宇佐美 洋 金田 智子 柳田 直美 三上 喜貴 湯川 高志 岩田 一成 松田 真希子 岡 典栄
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果は次の3点に要約される。第1点は公的文書の〈やさしい日本語〉への書き換えに関わる諸課題の解決、第2点は外国にルーツを持つ生徒に対する日本語教育に関する実証的な取り組みであり、第3点は各種メディアを通じた〈やさしい日本語〉の理念の普及活動である。第1点に関しては、横浜市との協働のもと、行政専門用語562語についての「定訳」を作成し、書き換えに際し有用な各種ツールとともにインターネット上で公開した。第2点に関しては、新しい文法シラバスを公刊する一方、JSL生徒向け総合日本語教科書の試行版を完成した。第3点に関しては、書籍、講演等を通して〈やさしい日本語〉に関する理念の普及に努めた。
著者
日野 純子 松田 真希子
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.44-45, 2008-03-15

The current study examined how native-speaking teachers of Japanese modify their listening behavior when they interact with learners. Teachers' aizuchi directed toward native speakers and advanced-level learners were compared with respect to frequency and discourse functions. It was found that there were no clear differences in frequency but teachers tended to produce no response in an attempt to understand learners' utterances.