著者
長谷 公隆 Munkhdelger Dorjravdan
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.114-120, 2021-02-18 (Released:2021-04-14)
参考文献数
13
被引用文献数
2

歩行分析には,二足歩行における病態を同定し,治療において重点化するべき問題を明確にする役割がある.観察による立脚期制御の歩行分析は,初期接地から荷重応答期・中期・後期の3相に分けて運動力学的な事象を考慮しながら評価する.定量的歩行分析は,3次元分析,床反力および筋電図計測を基本にして,臨床的ニーズに応じた計測システムを選択する.歩行推進力の指標には,立脚後期の床反力前後成分に加えて,爪先離地時の床反力作用点の位置を,股関節を中心とした角度として表す “trailing limb angle” が有用である.現代の歩行分析には,膨大な計測データから注目するべき指標を抽出するデータ・マイニングが含まれる.