著者
Murty L.Krishna
出版者
公益社団法人 日本気象学会
雑誌
気象集誌. 第2輯 (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.370-381, 1976
被引用文献数
14

AMTEX 75(1975年2月14日~28日)期間の熱&bull;収支解析を行った。解析は,全期間&bull;undisturbed period&bull;disturbed periodの3つの異ったケースについて行われた。<br>全期間の平均状態としては,80mb近傍に逆転層があり,かつその附近で下降流が極大値をとる。 apparent moisture sourceはこの高度附近で極大値を示すが, apparent heat sourceは極小値を示した。<br>disturbed period(AMTEX地域の北に低気圧があり,温い南風の状況)では,逆転層はない。750mb近傍に著しいapparent moisture sinkがあり,そこでは,上昇流の極大とapparent heat sourceの極大がみられる。<br>undisturbed periodは,冷い北風に特徴づけられ,全期間の平均状態に類似しており,逆転面下面附近(~800mb)にapparent moisture sourceがある。<br>海面からの熱エネルギーの補給量は,平均,870ly day-1であり,これはbulk aerodynamic法による推定値と一致している。補給量は寒気吹出時には,1200ly day-1におよぶが, disturbed periodでは140ly day-1にすぎない。