著者
NORI Franco (2010 2012) NORI FRANCO (2011) GIAVARAS Georgios ジャバラス ギョルゴス
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

電磁場を組み合わせて形成させたグラフェン量子ドットの性質を詳細に研究した。電場により、ゲート電極を使用して発生させることができるであろう滑らかな量子井戸ポテンシャルが生成される。単層グラフェン内でのクライントンネル効果のために、量子井戸ポテンシャルの状態は振動的な漸近依存性をもち、したがってこの井戸のみでは電子を閉じ込めることはできない。しかしながら、均一な磁場がグラフェンシートに直交するように印加される場合は、この状態は閉じ込めに必要なように漸近的に減少する。我々は電場がランダウギャップ内にエネルギーレベルを誘起することにより、ランダウレベルのスペクトルを変化させることを見出した。これらのエネルギーレベルに対応する状態は、外場に束縛されており、その外場で調節することが可能である。これらの状態数は電場の強度に比例する。状態密度の計算結果によれば、量子状態は低密度領域内に存在し、従って量子状態は電子輸送測定を利用して実験的に探査することが可能であろう。更に我々は、スピンがブロックされたダブル量子ドットにおける電子輸送を研究した。スピン・軌道相互作用の強度を調節することにより、ダブルドットを通過する電流は、ゼロ磁場で落ち込む、あるいは2つの電子エネルギーが反交差するような磁場でピーク値になることを示した。この振舞いは、磁場およびスピン・軌道振幅による1重項と3重項との混合に依存するためである。我々は、電流の近似表現を、輸送サイクルに含まれる状態の振幅の関数として導出した。また、有限個数の核スピンを考慮した別のモデルを考え、電子と核スピンとの間にこのモデルの結果として生じる動力学を研究した。我々は、スピンアンサンブルが熱状態にあれば、一時的な電流の規則的な振動とそれに続いて、熱的ジェインズ・カミングスモデルで見られるものと類似する準カオスのリバイバルが存在することを示した。
著者
NORI FRANCO 丸山 耕司 サヘル アシュハブ ランバート ニール ブリオック コンスタンティン ヨハンソン ロバート ツイ ウェイ 石田 夏子
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2010-04-01

人工原子としての超伝導量子ビットに関する研究を行い、自然にある原子に対するものと類似した問題を追及しました。巨大人工原子がどのように、光、伝搬路, 電磁的共振器, 機械的共振器等と相互作用するか、という課題を含み、量子光学、原子物理、固体物理、ナノサイエンス、コンピューターサイエンスに及ぶ、分野横断的な理論的研究を行い、その研究成果は物理学のトップレベルのジャーナルに掲載されました。