著者
山口 二郎 宮本 太郎 遠藤 乾 空井 護 高橋 伸彰 村上 信一郎 齋藤 純一 杉田 敦 中北 浩爾 小川 有美 小原 隆治 遠藤 誠治 野田 昌吾 宇野 重規 田村 哲樹 宇野 重規 田村 哲樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

本研究はグローバル化した金融資本主義の矛盾が明らかになる一方、民主政治による政策決定が円滑に進まないという困難な状況において、民主政治をどう再生させるかという問いに取り組んだ。基礎的な再分配政策に加えて、雇用、生活支援などのサービスを市民社会の自発性を引き出す形で展開することで、新たな福祉国家モデルを追求するというのが21世紀的な危機に対する処方箋となることを明らかにした。
著者
奥村 弘 市沢 哲 坂江 渉 佐々木 和子 平川 新 矢田 俊文 今津 勝紀 小林 准士 寺内 浩 足立 裕司 内田 俊秀 久留島 浩 伊藤 明弘 松下 正和 添田 仁 三村 昌司 多仁 照廣
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11 (Released:2009-04-01)

大規模自然災害と地域社会の急激な構造転換の中で、歴史資料は滅失の危機にある。その保存活用を研究する新たな学として地域歴史資料学の構築をめざした。その成果は、第1に、地域住民もまた保存活用の主体と考え地域歴史資料を次世代につなぐ体系的な研究手法を構築しえたことにある。第2は、それを可能とする具体的な地域歴史資料の保存と修復の方法を組み込んだことである。第3は、科研の中間で起こった東日本大震災での地域歴史資料保存について理念と具体的な方法を提示するとともに、全国的な研究者ネットワークによる支援体制を構築したことである。第4は、地域歴史資料学をグローバルイシューとして国際的に発信したことである。
著者
池田 泰久 三村 均 佐藤 修彰 新堀 雄一 小崎 完 佐藤 努 佐々木 隆之 桐島 陽 出光 一哉 稲垣 八穂広 鈴木 達也 竹下 健二
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2012-05-31 (Released:2012-11-27)

福島原発事故で発生した汚染物の合理的な処理・処分システム構築に向け、従来とは異なる固体・液体汚染物の性状研究、固体・液体汚染物の処理研究、発生廃棄物の処分研究の3分野に分け、基盤データの取得を行ってきた。その結果、燃料デブリの性状、核種の溶出挙動、汚染物の除染法、汚染水の処理法、高塩濃度環境下での核種の移行挙動等、燃料デブリをはじめとした従来知見の少ない海水を含む水溶液に接する条件下で発生した放射性廃棄物の処理・処分技術の開発に資する多くのデータを取得し、福島原発事故廃棄物の処理・処分方策に貢献しうるとともに、放射性廃棄物の処理・処分分野の進展に寄与しうる成果を出している。
著者
筒井 和義 南方 宏之 浮穴 和義 田中 滋康
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006 (Released:2006-04-01)

我々は新規脳ホルモンである生殖腺刺激ホルモン放出抑制ホルモン(gonadotropin-inhibitory hormone;GnIH)を鳥類から発見した。本研究では、GnIHはヒトなどの霊長類から無顎類に至る全ての脊椎動物に存在することを明らかにした。さらに、GnIHは生殖腺刺激ホルモンの合成と放出を抑制して生殖腺の発達と機能を抑える働きがあることを明らかにした。本研究により、この新規脳分子による新しい生殖制御機構の大略が解明された。
著者
植田 弘師 澄川 耕二 井上 誠 藤田 亮介 内田 仁司
出版者
長崎大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005 (Released:2005-04-01)

神経損傷に伴う難治性の神経因性疼痛の分子機構解明において、リゾホスファチジン酸(LPA)をめぐる治療標的分子の同定に成功した。主たる働きは知覚神経と脊髄後角におけるLPAの逆行性シグナルとしての脱髄や遺伝子発現制御とLPA合成を介する疼痛増強する機構である。脊髄内におけるLPA誘発性のミクログリア活性化、上位脳における同様なフィードフォワード機構、疼痛制御遺伝子発現のエピジェネティクス性増幅制御の存在など、新しい視点に立った創薬基礎を築いた。
著者
森脇 淳 中島 啓 望月 拓郎 立川 裕二 吉川 謙一 入谷 寛 尾高 悠志 向井 茂 並河 良典
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2016-05-31 (Released:2016-06-01)

今年度末の2月に代数幾何と数理物理学に関係する国内外の指導的な第一人者を集めキッキオフシンポジュウム「数理物理学からの観点からの代数幾何学の展開」を開催した.このシンポジュームは3つの大きな分野,すなわち,代数幾何,数理物理学,アラケロフ幾何からなり,ベテランから若手まで幅広い講演がなされた.これにより,本プロジェクトが目指す代数幾何と数理物理学に係わる研究の拠点形成のためのよいスタートが切れたと考えている.また,申請書に書いた若手の研究者の雇用のための公募を行い,多くの候補の中から理論物理学で顕著な業績が認められた吉田氏を採用するに至った.申請書にあるそれぞれの班の研究実績の概要は以下のとおりである.①中島,②並河,③望月,④入谷からなる第一班は,それぞれ,① 箙ゲージ理論の場合のクーロン枝の量子変形の詳細な研究,② Conical な複素シンプレクティック特異点の分類,③ 複素多様体上の enhanced ind-sheaf の複体がいつホロノミックD加群の enhanced de Rham 複体になるかについての研究,④トーリック軌道体に対するミラー対称性の研究等を進めた.⑤森脇,⑥向井,⑦吉川,⑧尾高からなる第二班は,それぞれ,⑤ 算術的力学系においてるディリクレ性の研究,⑥ 代数体上定義されたいくつかのエンリケス曲面の研究,⑦ アーベル的3次元カラビ・ヤウ軌道体に対するBCOV不変量の研究,⑧ モジュライ空間のトロピカル幾何学的コンパクト化の研究等を進めた.さらに,本事業のオブザーバーとしての立川は,⑨ 2+1次元トポロジカル場の理論の時間反転対称性の量子異常の問題について主に研究を行い,本研究費による研究員吉田は,⑨ グラスマン多様体内の完全交差で定義される3次元カラビ・ヤウ多様体の研究に従事した.
著者
松本 淳 林 泰一 山根 悠介 小林 茂 寺尾 徹 山本 晴彦 釜堀 弘隆 久保田 尚之 赤坂 郁美 福島 あずさ 村田 文絵 藤波 初木 加藤 内藏進
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30 (Released:2014-06-05)

旧英領インドの現ミャンマー領、バングラデシュ領内の日降水量データのデジタル化、旧満州国時代の中国の日降水量・気温データ、19世紀後半のフィリピンの日気象データ、日本の関東地方の明治・大正期の区内観測所の日降水量データ等のデジタルデータ化を進め、旧英領インドの現ミャンマー領の日降水量データの原本との照合による品質チェックを完了させた。旧英領ビルマ時代の1940年代、1950年代初頭期の日降水量データを新たに発見し、業者によるデータ入力を進めた。過去100年以上にわたる日本への台風の上陸状況、フィリピンにおける夏季モンスーンの開始・終了時期、インド北東部のチェラプンジにおける降雨変動、インドにおける降雨の季節変化の長期変動、日本の関東地方における豪雨発生の長期変化傾向、日本全国での冬季の低温による死者数の長期変化等について解明した。また最近数十年程度の期間については、バングラデシュにおける降雨の季節内変動機構、日本の梅雨季における降雨特性の長期変化、暖候季の降雨特性の季節変化、インドシナ半島におけるプレモンスーン季の降雨とモンスーン開始期との関係、南シナ海におけるモンスーン開始時期の変動と台風発生との関係、冬季の東南アジアでの豪雨発生の、南シナ海での乾季の吹き出しと熱帯擾乱の状態による経験的予測手法、インドネシア東部の島々における極端降水の発生とENSOとの関係等を解明した。また明治時代から終戦までの水路部および海軍気象部における気象観測体制の歴史を解明した。得られた研究成果は、日本地理学会、日本気象学会、日本地球惑星科学連合大会、Atmospheric Circulation Reconstuction on the Earth (ACRE)、米国地球物理学会連合(AGU)、米国気象学会(AMS)などで発表したほか、2017年の日本地理学会春季大会でシンポジウムを開催した。
著者
御子柴 克彦
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

細胞外からの刺激によりIP_3 が産生され、IP_3 受容体に結合しCa^<2+>を放出し様々な生理機能を引き起こす。3次元構造解析等により、IP_3 やCa^<2+>がアロステリックな構造変化を起こし、チャネルポアーの開口を起こす機構を解明した。IP_3 受容体は、我々が発見したERp44, GRP78, 80K-H 等多くの分子の分子間相互作用を促すシグナルハブ(拠点)として多様な働きをする事を示した。また、IP_3 がIP_3 受容体に結合すると放出される3rd メッセンジャーとしてのIRBIT を発見し、酸・塩基平衡をはじめとする多様な機能を制御する事を発見した。以上、IP_3 受容体が多様な生理的働きをし、且つ、その障害により神経変性、学習障害、心発生障害、骨粗鬆症、自己免疫疾患、急性膵炎等の各種の多くの疾患を引き起こす機構を解明した。またこの為に世界最高感度のCa^<2+>指示薬、Ca^<2+>ポンプ指示薬の開発、二光子顕微鏡によるインビボイメージング技術等の開発を行った。
著者
中村 仁彦 山根 克 高野 渉 神永 拓
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

人間の身体と運動の記号モデルと自然言語モデルを接続することによって,世界や他者の理解を行い,それに基づいて自己の行動を決定する計算システムを構築した.人類の祖先がたどったものとは異なる経路をたどって,まだきわめて限られてはいるが, われわれが世界や他者を理解するのと類似の方法をロボットが獲得した瞬間である. これを再帰的に行うことによって, 他者の行動決定のモデルを推論する自己のモデルを推論するなど,いわゆる「こころの問題」に接近することができる.この過程で,人間の深部身体感覚や神経活動の推論の計算基盤を構築し,これらをヒューマノイドロボットへ実装するために,カに敏感なアクチュエータと駆動系,外乱の機敏に反応して随時にステップを変更する歩行制御系を開発した.
著者
猪子 英俊 岡 晃 遠藤 高帆 大塚 正人 良原 栄策 平山 令明
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

摂食障害は90年代後半より若年層を中心に急増した精神疾患であり、治療法や予後予測法の確立が待ち望まれる。我々は、マイクロサテライトを用いたゲノムワイドな相関解析法により新たに見出した拒食症感受性遺伝子群について、その分子機能解明の鍵となる多数の相互作用を同定するとともに、83アミノ酸から成る領域等、創薬ターゲットとして有望な機能ドメインを特定した。
著者
稲葉 雅幸 水内 郁夫 岡田 慧 吉海 智晃 花井 亮 山崎 公俊 稲邑 哲也 五十棲 隆勝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004 (Released:2004-04-01)

本研究は, 等身大ヒューマノイドプラットフォームに対して, 視聴覚・全身触覚・動的全身反応行動などの高位の情報処理技術を搭載した知能ロボットカーネルを統合し, 人からの多様な働きかけに対して対応するための行動を実現するために必要な機能とシステム構成を明らかにした.
著者
門脇 孝
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31 (Released:2013-06-20)

過食・運動不足による肥満を基盤病態とするメタボリックシンドローム・糖尿病・心血管疾患・癌・アルツハイマー病が激増している。そのような現状に対し、栄養状態に対する生体反応を適切にコントロールすることによって寿命の延長や若さを維持することが可能 だと考えられ、健康長寿を実現する方法が待望されている。我々はごく最近、抗糖尿病ホルモンであるアディポネクチン/アディポネクチン受容体(AdipoR)シグナルが新規の寿命決定に深く関わる重要なシグナルであることを明らかにし、その活性化低分子化合物(AdipoRon)の取得にも成功している。本研究課題では、それらのシーズを活かし、下記の(1)から(3)を目的とし、研究を推進した。(1)「寿命延長効果をもたらす高等生物に適したカロリー制限の科学と方法(栄養素の量と質)を明らかにする 」 カロリー制限を 一定とした上で、炭水化物、タンパク質、脂質の割合を変動させ、様々な栄養条件下におけるマウスの寿命を検討する実験を開始し、定期的に全身の糖・脂質代謝への影響に関するデータを取得し、寿命に対する観察を継続している。(2)「健康長寿を制御する普遍的シグナルを同定する」 AdipoR 各種遺伝子改変マウスとAdipoR活性化低分子化合物(AdipoRon)投与を組み合わせ、それぞれの代謝に重要な組織におけるメタボローム解析、トランスクリプトーム解析を開始し、候補分子の絞り込みを行った。(3)「代謝制御経路を基盤とした健康長寿実現に向けた科学と方略を確立する」昨年度Natureに報告したAdipoRonを展開し、さらに新たなAdipoR活性化低分子化合物を取得・選抜した。また、ヒトAdipoR発現マウスにAdipoRonを実際に投与し、抗生活習慣病の効果を検討し、ヒトへの有効性について確認した(未発表データ)。
著者
磯崎 行雄 松尾 基之 川幡 穂高 可児 智美
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008 (Released:2008-04-01)

カンブリア紀初めと古生代末の地球環境変動・絶滅事件について、クロアチア、中国雲南省、さらに岐阜県赤坂・石山、宮崎県高千穂、宮城県気仙沼での野外調査/ボーリング掘削および炭素・ストロンチウム同位体などの分析を行い、古生代末事件が地球磁場強度低下と銀河宇宙線増化による地球規模の寒冷化で始まったこと、またカンブリア紀初期の爆発的進化が特異な南中国のプルーム活動域で局地的に始まったことを初めて解明した。
著者
塚本 勝巳 大竹 二雄 金子 豊二 井尻 成保 青山 潤
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11 (Released:2009-04-01)

天然の生理生態情報を基に親魚の催熟・採卵技術と仔魚の飼育法を改善した。卵巣遺伝子の網羅的解析の結果、天然魚ではアンドロゲン受容体タイプA(ara)とアクアポリン-0および-3パラログ遺伝子が大量に発現していることを見出し、良質卵産生のための重要な指標を得た。仔魚の浸透圧調節能と栄養吸収機構の発達を調べたところ、イオン輸送体のNKCC2bとNCCbはふ化後2-3日目に消化管に発現し、水飲みの亢進と同期すること、ペプチド輸送体PEPT1は腸管上皮細胞の頂端部に局在することが分かり、飼育プロトコルが改善された。天然仔魚の体成分アミノ酸窒素同位対比分析から餌はマリンスノーと判明し、新規飼料を開発した。
著者
嶋田 義仁 坂田 隆 鷹木 恵子 池谷 和信 今村 薫 大野 旭 ブレンサイン ホルジギン 縄田 浩志 ウスビ サコ 星野 仏方 平田 昌弘 児玉 香菜子 石山 俊 中村 亮 中川原 育子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2009-05-11 (Released:2009-04-01)

家畜文化を有したアフロ・ユーラシア内陸乾燥地文明が人類文明発展の中心にあった。家畜は蛋白資源生産(肉、乳、毛、皮)に止まらない。化石エネルギー使用以前人類が利用しうる最大の自然パワーであった。移動・運搬手段として長距離交易と都市文明を可能にし、政治軍事手段としては巨大帝国形成を可能にした。これにより、旧大陸内陸部にグローバルな乾燥地文明が形成された。しかしこの文明は内的に多様であり、4類型にわけられ。①ウマ卓越北方冷涼草原、②ラクダ卓越熱帯砂漠、③小型家畜中心山地オアシス、④ウシ中心熱帯サヴァンナ、である。しかし海洋中心の西洋近代文明、化石燃料時代の到来とともに、乾燥地文明は衰退する。
著者
遠山 一郎 丸山 裕美子 久冨木原 玲 中根 千絵 宮崎 真素美 山村 亜希 犬飼 隆 桐原 千文 下村 信博 山口 俊雄 福澤 将樹 高橋 亨 吉田 永弘 小谷 成子
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2007 (Released:2007-04-01)

古代から近代に渡り、戦が文化・文物に影響したさまを広く研究し、中国・朝鮮との関わり、さらにヨーロッパとの比較の視点をも取り入れて、総合的な研究を実現した。2007年から2011年の5年間にわたって催した研究集会・講演会、文物の展示会、伝統芸能の実演によって約2, 200名の参加を得、学術研究を広く地域の人々とも共有するという当初の狙いを具体化した。これらの成果をもとに単行本5冊と、語りの実演にその語りの本文に索引を付けたDVD1つを刊行し、研究集会と伝統芸能の映像記録も2つのDVDに残した。