- 著者
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三井 直樹
Naoki Mitsui
- 雑誌
- 共立女子短期大学生活科学科紀要
- 巻号頁・発行日
- vol.56, pp.1-9, 2013-02
アレキサンドラ・モンローをゲストキュレーターに迎え、 1994年に開催された展覧会「Japanese Aat after 1945 :Scream against the Sky」 展は、アメリカを巡回する初の大規模な日本の戦後前衛美術展となった。現在のアメリカにおける日本の現代文化全体に対する見方は、この展覧会による影響が大きい。この展覧会の中心として取り上げられた「具体美術協会」は、吉原治良を中心に嶋本昭三、白髪一雄、村上三郎、金山明、田中敦子、元永定正らによる前衛美術集団であった。 本論では「具体美術協会」がパフォーマンスアートやハプニング、インスタレーションなど現代美術のさまざまな分野の先駆者として認められる点を検証しながら、さまざまな欧米美術家との関わりを探り、また、 日本の現代美術の源流がどこにあるかを検証する。戦後日本の作家たちは、西欧に対していかに「日本」あるいは「東洋」を確立するかが、自らの存在に関わる根底的な問題であった。「具体美術協会」の作品を考察することによって、 「日本」というアイデンティティの模索の歴史を再確認していく。