著者
大浦 明美 オオウラ アケミ OURA Akemi
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.26, pp.83-95, 2013-03

本稿は、一人暮らしの女性後期高齢者の日常生活の意識について明らかにした。研究方法は、女性後期高齢者5人にインタビュー調査を実施し、分析を行った。その結果、1に依存・自己否定・依存対象の移行・社会的孤立への変容プロセス、2に自立・承認・幸福体験・信頼の基盤への変容プロセス、そして、3に教訓・規範意識・パートナーの喪失・自然信仰への変容プロセスが示された。この3つのプロセスは融合し、1つの巡回するプロセスをなしていた。これらのことから、現代の単身女性後期高齢者における日常生活意識は、おもに家族との絆、友人等のつながり、そして自然信仰に存在する主観的幸福感と通底していることが示された。