著者
小松 忠彦 PASTOOR Siegmund
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.39-46, 1993

小形モニタに表示された立体人物像を観察すると、不自然に小さく、人形のように感じることがある。この現象はパペットシアタ効果と呼ばれ、臨場感を損なう一要因である。本研究では、人物像の入出力条件と、パペットシアタ効果の発生条件との関係を主観評価により詳細に検討した。その結果、視差補正法によって、パペットシアタ効果を緩和できることを見い出した。同時に、視差補正法によって、眼疲労等の不快な副次的効果が付随するが、副次的効果を軽減できる画像入出力条件が存在することを見いだした。以上の結果に対する考察から視差補正法は撮影距離、観察距離が共に短い入出力条件、すなわち、T V電話等の応用に適していることが分かった。