- 著者
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柴崎 正勝
PLUTA ROMAN
- 出版者
- 公益財団法人微生物化学研究会
- 雑誌
- 特別研究員奨励費
- 巻号頁・発行日
- 2017-11-10
去年に引き続き、7-アザインドリンを利用する触媒的不斉炭素炭素結合形成反応の探索研究を進めた。アミド部位をチオアミドとした新規誘導体を合成し、その特性を精査した。アミドエノラート類の反応において、そのE/Zジオメトリーは生成物のジアステレオ選択性に直接的に関与するが、その熱力学的不安定性から捕捉は困難であり、各種分光法によるジオメトリー決定が不可能で生成物の立体化学から推察するに留まっていた。今回アミドからチオアミドとすることで、銅と硫黄の親和性を利用したエノラートの直接観測が可能となり、生成物の立体化学から予測されるように反応はZ-エノラートを経由して進んでいることを突き止めた。適切な不斉配位子を利用することでZ-エノラートを介する触媒的不斉アルドール反応が高エナンチオ選択的に進行することを明らかにした。