著者
Ahn Mi-Jeong Bae Ji Young Mikage Masayuki Park Jong Hee
出版者
Medical and Pharmaceutical Society for WAKAN-YAKU = 和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌 (ISSN:18801447)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.204-209, 2010

韓国民間薬 「Da-Rae-Jul-Ki」 は, 排尿障害, 脳卒中, 胃腸カタル, 急性胃炎, 胃癌などに使用される。 その基源は一般にマタタビ科マタタビ属植物の小枝であるとされるが, これまで確証がなかった。 そこで, 韓国や日本に生育する本属植物, <I>Actinidia arguta</I> (サルナン), <I>A. arguta</I> var. <I>rufinervis</I>, A. <I>kolomikta</I> (ミヤママタタビ), <I>A. polygama</I> (マタタビ), および <I>A. rufa</I> (ナシカズラ) の枝を比較組織学的に検討した。 その結果, 検討した 5 分類群はコルク層の細胞層数, コルク細胞の大きさ, 一次皮層の幅に対する二次皮層の幅の比, 纖維束間の石細胞の有無, およびその大きさ, 分泌道の形, 導管や髄柔細胞の大きさなどの違いにより区別され, Da-Rae-Jul-Ki は <I>A. arguta</I> の小枝であることを確証した。