著者
榊原 雅人 佐藤 譲 竹内 聡 Park Suin 及川 欧
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.613-621, 2019 (Released:2019-10-01)
参考文献数
40

第59回日本心身医学会総会ならびに学術講演会の企画シンポジウム 「バイオフィードバック/ニューロフィードバックの臨床応用」 において, 現在, 日本および韓国で活躍している研究者・実践家による討論が行われた. バイオフィードバックに関わる研究や実践はこれまで心身医学領域においても数多く進められてきたが, これを踏まえさらに新しいかたちで発展する可能性があるように思われる. とりわけ心拍変動バイオフィードバックはストレスに関わる臨床に応用され, 近年, 特に注目されている技法である. 一方, ニューロフィードバックに関する知識や実践は日本にまだ十分に普及しているとはいえないが, 発達障害などを中心として, 今後, 心身医学においてそのニーズが高まるのではないかと考えられる. また, 世界的な視点でバイオフィードバック/ニューロフィードバックの臨床応用を考えるとき, バイオフィードバック認定国際機構 (The Biofeedback Certification International Alliance : BCIA) が研究や教育的側面に果たす役割は大きい. このような流れを含め, 日本の心身医学領域におけるバイオフィードバック/ニューロフィードバックの具体的な展開が今後ますます期待される.