著者
水上 香苗 高橋 さおり 楠木 伊津美 高瀬 淳 Kanae MIZUKAMI TAKAHASHI Saori KUSUNOKI Itsumi TAKASE Atsushi 藤女子大学非常勤講師 北海道大学大学院文学研究科・大学院生 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科 岡山大学大学院教育学研究科 Part-time Lecturer Fuji Women's University Graduate Student Hokkaido University Fuji Women's University Okayama University
出版者
藤女子大学QOL研究所
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.35-42, 2010-03

2006年にマスコミ等で大きく取り上げられた学校給食費の未納問題は、従来から学校が潜在的に抱える問題であった。その対策として、学校給食の教育における意義、必要性等の配慮から、就学援助制度等の整備も行われてきている。しかし、その対応については、給食費の徴収・管理を始め実に様々であることがわかった。一方で、食育基本法の制定に伴い、法の制定以来改正されてこなかった学校給食法の改正が行われ、教育における学校給食の位置づけも変わることとなった。これらのことを踏まえ、今後給食費の未納問題を未然に防ぐためには、学校給食の事前説明と公会計による給食費の管理が必要といえる。

1 0 0 0 IR あい風の正体

著者
前野 紀一 Norikazu MAENO 北海道大学名誉教授・藤女子大学非常勤講師 Professor Emeritus Hokkaido University and part-time lecturer Fuji Women's University
出版者
藤女子大学QOL研究所
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.5-16, 2011-03

あい風という風が、日本海沿岸の各地で知られている。あい風はそれぞれの地の地形や気象で決まる局地的な風であり、風向も同じではない。しかし、各地のあい風には、A)海から幸せを運ぶ好ましい風、および、B)北前船のノボリの順風、という二つの共通な特徴がある。あい風の風向が、北海道から、東北、北陸、山陰と南下するにつれて、北寄りから東寄りの風にかわる事実は、特徴AとBによって説明される。あい風の典型例として、石狩のあい風が調べられた。石狩のあい風は、江戸時代初期、おそらく300年以上前から始まった物資の輸送や人々の交流、移住の歴史の中で、特徴AとBに沿うように生まれ、育まれてきた。石狩のあい風は、春、夏、秋に吹くさわやかな北寄りの風であるが、気象学的には、典型的な海風であることが、気象データの解析とドップラーライダーの観測から明らかにされた。