著者
Jyoti S. D. Munshi George M. Hughes Peter Gehr Ewald R. Weibel
出版者
The Ichthyological Society of Japan
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.453-465, 1989-03-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
30

タウナギの空気呼吸器官の構造を, 光顕, 走査ならびに透過電顕によって観察し, 本種における口腔咽頭呼吸に関する形態的基礎を明らかにした.気嚢 (上咽頭室) は吸・出水口の役を果す開口部をもち, その2/3に形と大きさの異なる呼吸島をそなえている.呼吸島は水呼吸に役割を果すが, 水呼吸だけではタウナギは生活できない.血管分布のないところは, 微小堤をそなえた上皮細胞で覆われている.呼吸器官へは細動脈が深く侵入し, 呼吸島に特有の血管乳頭を形成する.血管乳頭も, 特殊化した上皮で覆われている.第2鯉弓は, 多角状微小堤をもつ上皮で覆われた少数の指状弁をそなえている.立体法並びにタウナギ相応の新しい範例をとり, 空気呼吸器官の形態計測を行なった.そして, 体重200gの呼吸膜における呼吸面積, 毛細管負荷などを算出した。