著者
遠藤 秀文 Rahmadi Prasetyo 西平 守孝 大中 晋
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.1196-1200, 2006-10-10 (Released:2010-06-04)
参考文献数
5

これまで, 無性生殖によるサンゴ移植では, サンゴ種や固定方法の違いによる移植後のサンゴ群体の残存率や成長率について, 長期的かつ定量的に検討された事例は少ない.本研究は, バリ島クタ海岸の礁池においてサンゴの群集の人為的再生の可能性を検討するため, 数種類の固定材料を用いて礁池に設置した20個の自然石基盤の上面および側面に数種類のサンゴ片を移植し, 2年以上にわたり定期的に移植したサンゴの残存, 再固着および成長状況について観察したものである.この研究により, サンゴ移植の実用化に際して必要な移植サンゴの種類や固定方法等による残存率および成長率について定量的なデータが得られたとともに, 海水温とサンゴの成長および影響についても定性的に把握することができた.