著者
千古 利恵子 Rieko SENKO 京都文教短期大学 Kyoto Bunkyo Junior College
雑誌
京都文教短期大学研究紀要 = The Kenkyu kiyo (ISSN:03895467)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.129-140, 2014-03-12

新古今和歌集の伝本は多く、未だその数は確定されていない。しかし、先学諸氏の調査・研究によって、現存する伝本は①成立過程によって四類に分けられること②伝本の大半が第二類(竟宴直後から切継の行われている途中で書写された本文をもつ伝本)に属すること、が明らかにされている。本稿では、所蔵小形本の本文を寿本(新編国歌大観の底本)の本文と比較し、所蔵本の系統を検証するとともに、伝本研究における小形本調査の有用性を考えたい。