著者
高山 和喜 佐宗 章弘 姜 宗林 SISLIAN Jean
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

衝撃波の応用研究のハイライトは、衝撃圧縮を用いて通常の方法では不可能な高温を発生して、宇宙船の地球大気圏再突入を模擬できる状態をを発生することである。このとき生じる一万度を超える高温は宇宙船まわりにできる衝撃波背後の状態に相当し、空気中の酸素、窒素分子は解離し、解離してできた原子の一部は電離しこれを実在気体効果という。極超音速流れの実験的研究では、実在気体効果を再現して大気圏再突入の空気力学を実証することである。本研究は、トロント大学から移設した断面100mm×180mm衝撃波管の高圧部を化学量論比の酸水素混合気を満たし、その中で微小爆薬レーザー起爆してデトネーション波を発生して高温高圧気体を生成して入射衝撃波マッハ数20を達成して、ホログラフィー干渉計を用いて極超音速流れを定量的に観測する。得た結果を要約すれば:(1)無隔膜方式のデトネーション駆動衝撃波管を設計した。化学反応なしの状態で、無隔膜方式が非常によい衝撃波の再現性を示すことを明らかにした。また、数値解析的に、デトネーション波の衝突で急速開口弁が開口し衝撃波を駆動することを明らかにした。(2)微小爆薬のレーザー起爆でデトネーション波を発生する機構、DDTを実験的に検証した。また、デトネーション波の初生に及ぼす微小粒子の介在の効果を明らかにした。(3)二重露光有限干渉縞ホログラフィー干渉計法を用いた計測法を確立した。有限干渉縞をフーリエ縞解析して密度分布を定量的に計測するシステムを開発した。(4)研究の成果を、国際研究集会、第23回国際高速写真シンポジウム、第22回国際衝撃波シンポジウムで発表し、良い評価を得た。