著者
Saito H Lin C. Saito G. Gyoba G. Itukushima Y.
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2017, 2017

対面する虚偽報告者(Liar)と虚偽検出者(Detector)の脳活動の同期(coupling)現象を、近赤外分光法(NIRS)を用いて検討した。Liarは、単独で視覚呈示された単文を「音読」するか、あるいは単文内容を右手の「動作」で表現することを求められ、次に実施行動(音読、動作)の再認検査を受けた。最後にLiarは対面状況下で、各単文に付与される命令語(真実・虚偽)に応じた実施行動をキー押し判断し、直後に口頭で「音読」または「動作」しましたと報告した。例えば、ある単文に「動作」を行い、「虚偽」命令を受けると、Liarは「音読しました」と虚偽を報告した。DetectorはLiarの報告に対する真偽判断の直後に各判断の正誤を知らされた。Detectorの虚偽検出(正答)率は約50%であった。両者のNIRSデータは、Detectorの正答反応試行でのみ、右IFGで正の脳間相関を示した。