著者
廿日出 里美 Satomi Hatsukade
出版者
安田女子大学
雑誌
安田女子大学紀要 = Journal of Yasuda Women's University (ISSN:02896494)
巻号頁・発行日
no.50, pp.141-148, 2022-02-28

本研究の目的は、来るべきAI時代に備えてAIとは異なる生身の人間の「感覚力」に着目し、人とかかわる職に就く人々に向けた研修プログラムを開発することにある。これまでの研究においては、人称の身体感覚を手がかりに、パフォーミング・アーツのワークショップにおける長期的フィールドワークを通して、対人関係専門職に就く人々を想定した感覚力の拡張を目指すプログラムの開発及び検討を行った。本論では、人称の身体感覚を拡張するワークのなかでも、①自己の境界と溶解の身体感覚、②認識主体と認識対象との一体化、③自己や周囲との対話的なやりとりに着目し、対人援助職の専門家の養成や研修で重視すべき身体感覚について、関連する研究の動向や過去に行った実践的な取り組みに照らし、考察する。
著者
廿日出 里美 Satomi Hatsukade
出版者
安田女子大学
雑誌
安田女子大学紀要 = Journal of Yasuda Women's University (ISSN:02896494)
巻号頁・発行日
no.49, pp.125-136, 2021-02-28

本研究の目的は、来るべきAI化時代に備えてAIとは異なる生身の人間の「感覚力」に着目し、人とかかわる職に就く人々に向けた研修プログラムを開発することにある。大量の情報を瞬時に処理することに長けたAIは将来、職場でどのように活用され、人々の関係性にどのような変化をもたらすか、現時点での将来像を予測しておく必要がある。昼寝などの睡眠時の乳幼児の安全・見守りや送り迎え時の保護者対応、絵本の読みかたり等の業務にAIが登用された場合、そこで働く専門職の意味合いや養成、ならびに、研修内容にも大きな影響を及ぼすと考えられる。経済中心の原理や従来の仮説検証型の自然科学的方法とは異なる未来像を描く方途として、本論では人称の身体感覚を手がかりに、パフォーミング・アーツのワークショップにおける長期的フィールドワークを通して、対人関係専門職に就く人々を想定した感覚力の拡張を目指すプログラムの検討を試みる。