- 著者
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Hall Heike
Schachner Melitta
山形 貞子
田中 啓友
- 出版者
- FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
- 雑誌
- Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
- 巻号頁・発行日
- vol.10, no.55, pp.361-382, 1998
- 被引用文献数
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細胞外マトリックスは細胞接着 (総説: Gumbiner、1996)、神経突起伸長の際の growth cone guidance (総説: Luckenbill-Edds、1997)、細胞移動 (総説: Lauffenberger と Horwitz、1996)、細胞極性 (総説: Drubin と Nelson、1996)、細胞死 (総説: Adams と Watt、1993) など個体発生と分化の基礎となる重要な事象全てに対し、足場として働いている (総説: Adams と Watt、1993)。細胞外マトリックスの分子構築はラミニン、IV型コラーゲン、ナイドジェン/エンタクチン、ヘパラン-、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンの間の特異的相互作用によって作り上げられている (Sanes、1989; Timpl と Brown、1994; Yurchenco と O'Rear、1994; Timpl と Brown、1996; Timpl、1996)。この超-分子集合体の構築に関与する重要な分子が現在増えつつあるラミニンファミリーである (Burgeson ら、1994; Engvall と Wewer、1996)。この総説では細胞接着 (インテグリンと免疫グロブリンスーパーファミリーに属する細胞接着糖タンパク質) に関与する自己-相互作用および細胞外マトリックスの他のメンバーである硫酸化糖鎖 (ナイドジェン/エンタクチン、フィブリン、パールカン、アグリン、α-ジストログリカン/クラニン) や糖タンパク質など、異なる型のリガンドとの相互作用を可能にするラミニンの独特な分子構造に焦点を絞ろうと思う。特にラミニンとそのリガンド間相互作用への糖鎖の関与について考察しようと思う。