著者
Sezawa Katsutada Kanai Kiyoshi
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝国大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.190-207, 1939-06-30

脈動の原因について多くの人の議論があるが未だに一致しないやうに見える.海岸を打つ波の衝擊が彈性波として傳播するといふ説と,大氣中の振動が壓力波又は彈性波として傳播するといふ説とは互に相讓らぬやうである.只今の研究では,海岸を打つ波の場合には勿論彈性波として傳播してよいけれども,大氣中の振動はやはり大氣波として傳播しなくてはならぬといふ結論に達するのである.尤も何れの場合にも波動が2次元的でないと充分な振動勢力が傳はらない.波が海岸を打つて出る波についてはに多くの研究が試みられてあるから茲では取扱はない.
著者
Sezawa Katsutada Kanai Kiyoshi
出版者
東京帝国大学地震研究所
雑誌
東京帝国大学地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.17, no.4, pp.675-684, 1939-12-30

地球の生成時代にあり得るかも知れぬ狀態即ち液狀核を包む瓦斯の中の溫度分布及び沸點の分布をn=1といふ特別の場合について計算したものはこの前の報告に示した通りである.今囘はn=∞の場合,即ち等溫狀態に相當する場合の計算を試みた.この狀態は具體的には殆ど考へ難い場合であるが後に試みるnの一般の場合の推移を知り得るといふ意味があるのである.計算の結果によれば,前囘のn=1の場合には瓦斯のある非常に高い所から金屬の雨が降るけれども,n=∞の場合には寧ろ低い所から降る傾向のある事がわかる.