著者
島袋 恒男 大城 房美 Shimabukuro tsuneo Oshiro fusami
出版者
琉球大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
琉球大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466038)
巻号頁・発行日
no.19, pp.91-104, 2012

高校教師が現在受け持っている「勉強ができる生徒」の抱く気持ちや考えを推測学習・対人・進路CAMI尺度を使って予測させた。その因子分析の結果、第1因子「未知の原因・運・他者の援助」、第2因子「努力・他者の援助」、第3因子「能力・運」、第4因子「未知の原因」を見出した。各因子と教師の成長性との相関分析の結果、勉強のできる生徒の、「教師の援助」や生徒自身の「努力」を強調する教師は、「教育指導への自信」や、「同僚・先輩・職場の雰囲気・生徒との関係や幅広い人間としての成長」の高いことがわかった。反対に、「教育指導への悩み」を感じている教師は、勉強のできる生徒に対して、なぜ勉強ができるのかその「原因がわからない」し、「運や能力や教師の援助」で説明しており、生徒自身の「努力」の過程を理解することができないということがわかった。そして性別、教職経験年数毎の分析を通して教師の予測する勉強のできる子の「推測CAMI」 と「教師の成長性」についての考察が行われた。