著者
三根 幸彌 中山 孝 Steve Milanese Karen Grimmer
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11145, (Released:2016-03-18)
参考文献数
43

【目的】非特異的慢性腰痛を有する患者に対する痛みの神経生理学に基づいた患者教育(pain neurophysiology education;以下,PNE)の効果を検討することを目的とした。【方法】英語・日本語の無作為化比較試験を対象として2015年6月5日までの系統的検索を行った。バイアスのリスクの評価にはPhysiotherapy Evidence Database スケールを用いた。データの統合は記述的に行われた。【結果】6 編の英語論文が低いバイアスのリスクを示した。PNE が他の患者教育よりも効果的であるという明確なエビデンスはなかった。また,PNE と他の介入を併用した際に効果が減弱する可能性が示唆された。【結論】PNE を用いる場合は,患者特性と他の介入との相性を考慮する必要がある。将来の研究はこの研究で明らかになった方法論的欠点を解消し,PNE の効果についてより質の高いエビデンスを提示する必要がある。
著者
三根 幸彌 中山 孝 Steve Milanese Karen Grimmer
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.247-254, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
43

【目的】非特異的慢性腰痛を有する患者に対する痛みの神経生理学に基づいた患者教育(pain neurophysiology education;以下,PNE)の効果を検討することを目的とした。【方法】英語・日本語の無作為化比較試験を対象として2015年6月5日までの系統的検索を行った。バイアスのリスクの評価にはPhysiotherapy Evidence Database スケールを用いた。データの統合は記述的に行われた。【結果】6 編の英語論文が低いバイアスのリスクを示した。PNE が他の患者教育よりも効果的であるという明確なエビデンスはなかった。また,PNE と他の介入を併用した際に効果が減弱する可能性が示唆された。【結論】PNE を用いる場合は,患者特性と他の介入との相性を考慮する必要がある。将来の研究はこの研究で明らかになった方法論的欠点を解消し,PNE の効果についてより質の高いエビデンスを提示する必要がある。