著者
Sung-Chul NOH
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.34-46, 2021-11-10 (Released:2023-11-10)
参考文献数
14

創造産業の労働市場は,プロジェクト基盤の短期契約が主で,制度的規制が適用されない非公式な労働市場の特性がある。先行研究では,労働者が自律性と自己実現の価値に合致するという理由から,安定的な雇用と労働権に対する保護より非公式な労働市場体制を好むことを示している。そこで本研究は,フリーランスから正規職労働者に変わった創意労働者がその雇用形態の変化をどのように理解し,行動するのかについて考察した。このため,非正規労働の不安定さを解消するために正規職化政策を推進した韓国の公共放送局で働くフリーランスの放送作家を対象に,2018年から2020年にかけてアンケート調査と面接調査を実施した。2年にわたる正規職転換期間中に放送作家たちがどのように不安定性と働き方,そして作業場での社会的関係間のバランスをとり,それによって雇用形態に対する好みがどのように変化したのかを分析した。