著者
竹村 唯 中尾 八重子 TAKEMURA Yui NAKAO Yaeko
出版者
長崎県立大学
雑誌
長崎県立大学看護栄養学部紀要 (ISSN:18841759)
巻号頁・発行日
no.18, pp.1-12, 2020-03

目的:委託型地域包括支援センター(以下、センター)の委託元市町村(以下、市町村)との連携・協働の現状や要望を明らかにし、今後の課題を検討する。 方法:A県内の3センターの主任介護支援専門員4名・社会福祉士3名・保健師3名に個別面接を行い、面接内容を意味内容の共通性からカテゴリー化した。 結果:センターは、担当部署と事例や事業、会議など多岐にわたり、また、事例については担当外部署とも連携や協働を行い、内容によって連絡手段を選択していた。市町村には気軽に連絡や相談できる一方で、主張に限界を感じていた。センターは、市町村に1担当者の地域に即した事業やセンターの尊重、2担当外部署の情報提供やセンターの理解、3他機関との橋渡しや体制作りなどの統括的役割を求め、市町村と地域の特徴を踏まえた地域づくりをしたいと考えていた。 考察:センターと市町村との連携や協働の推進には、市町村は委託先というセンターとの微妙な力関係を理解し、センターの本音を聞くことや、両者の合意による事業や活動をともに行う過程の重要性が示唆された。また、センターは住民の生の声を把握できる強みを活かし、市町村と協働することが重要である。