著者
金城 須美子 田原 美和 Kinjo Sumiko Tahara Miwa
出版者
琉球大学教育学部
雑誌
琉球大学教育学部紀要 第一部・第二部 (ISSN:03865738)
巻号頁・発行日
no.47, pp.181-189, 1995-10

米国統治時代、沖縄に導入された洋風(米国系)ファーストフードが、沖縄県民の食生活にどの様に受け入れられているのか、その利用状況と意識調査を行った。調査対象は琉球大学学生と社会人(沖縄銀行行員)である。その結果は次の通りであった。1.琉球大学学生の県内出身学生は県外学生に比較して洋風ファーストフードの利用頻度は高く、外食産業(飲食店)の中で最も多く利用している。利用回数は、月に2回以上と答えた者が県内学生は76.8%で県外学生の52.2%に比べて多い。2.洋風ファーストフードの嗜好性については、県内・県外学生で大差はないが、ビックマック、モスバーガー、ピザ、タコスなどは県内学生に好まれている。3.洋風ファーストフードを利用することについて、琉球大学学生は肯定的な意識があり、今後も取り入れたいとする者が約60%あった。4.社会人の洋風ファーストフードの利用頻度は若い年代ほど高いが、50代以上の年代でも月1回以上利用している者が約50%であった。また、今後も食生活に取り入れたいと回答した者が、どの年代も54%以上あり、利用することに肯定的な意識をもっている。5.米国資本のA&Wが導入されて30年を経た現在、洋風ファーストフードは手軽な食事、あるいは間食・主菜に利用され、沖縄の食生活スタイルに定着している。これは米国統治によって、県民がアメリカ型食生活を直に体験し、それを受け入れたことが大きく影響していると考える。