- 著者
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Hideaki YAMANAKA
Kazuo SHIOMI
Mutsuko MIYAHARA
Takeaki KIKUCHI
- 出版者
- Japanese Society for Food Hygiene and Safety
- 雑誌
- Food Hygiene and Safety Science (Shokuhin Eiseigaku Zasshi) (ISSN:00156426)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.4, pp.270-275, 1979-08-05 (Released:2010-03-01)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
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強い酸化力を有する殺菌料である過酸化水素と種々のアミノ酸との反応によって生ずるアルデヒド類について調べ, 次のような結果を得た.(1) Gly, Ala, Val, Leu, Ileu, Pheに過酸化水素を加えた反応液の2, 4-DNPH誘導体をTLCにより分離すると単一成分を与えた. 標品とのRf値, 紫外部吸収極大, 融点, 結晶の色調の比較から, それぞれのアミノ酸からはホルムアルデヒド, アセトアルデヒド, イソブチルアルデヒド, イソバレルアルデヒド, 2-メチルブチルアルデヒド, フェニルアセトアルデヒドが生成されたことがわかった. 各アミノ酸が過酸化水素により脱アミノ, 脱炭酸反応を起こし, 対応するアルデヒドが生成したものと考えられる.(2) Na-Glu, Asp, Thrと過酸化水素からはアセトアルデヒドが生成した.(3) Serに過酸化水素を加えた場合は, 主反応生成物としてホルムアルデヒドが検出された. Glyの場合よりSerの方がホルムアルデヒドの生成量は大であった.(4) 過酸化水素を使用している市販食品 (かまぼこ, はんべん, かずのこ, うどん) 中のカルボニル化合物をTLCで調べたところ, 2~8成分が検出された. Na-Gluを多量に添加するかまぼこやはんぺんでは過酸化水素処理によってアセトアルデヒドの生成の可能性がある.