- 著者
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雨宮 民雄
Tamio Amemiya
- 出版者
- 東京海洋大学
- 雑誌
- 東京海洋大学研究報告 (ISSN:21890951)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.67-74, 2010-02-26
誰も時間を見ることはできない。誰も時間を聞くことはできない。誰も時間に触れることはできない。だが、時間は確実に人間を支配している。時間は人間にとって不気味な力である。そのような時間を人間は一定の形をもつものとして表象し、それを時計によって測定することによって生活の中に取り込んでいる。しかし、時間に押し流されているという不安は消えない。そのため、人間は時間を空間と同じように自由に移動できる場にしようと試みる。それがタイムトラベルの夢である。物理学の発達によって、タイムトラベルは現実に可能と考えられるようになってきた。私は、物理学的に可能とされているさまざまなタイムトラベルの方法を分析するとともに、理論を立てるという人間の行為との関係においてタイムトラベルがどのような哲学的意味を持つかを考察した。