- 著者
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Tokunaga Mikio
- 出版者
- 九州大学
- 雑誌
- 健康科学 (ISSN:03877175)
- 巻号頁・発行日
- vol.21, pp.107-117, 1999
- 被引用文献数
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The author had developed the Diagnostic Inventory for Psychological Competitive Ability (DIPCA. 2, for junior high school students - adults) to determine the mental strength of athletes, the Diagnostic Inventory of Psychological State Before Competition (DIPS-B. 1) and the Diagnostic Inventory of Psychological State During Competition (DIPS-D. 2). Questionnaires and diagnostic methods are as follows:心理的競技能力診断検査,試合前の心理状態診断検 査及び試合中の心理状態診断検査の調査表と診断法スポーツ選手の心理的特徴を診断するために「特性」 をみる「心理的競技能力診断検査」を開発した。また,「状態」をみる「試合前の心理状態診断検査」及び「試 合中の心理状態診断検査」も作成した。これらの3つの検査法の調査表と診断法を紹介した。今後,これら の3つの診断検査を状況に応じて有効に利用することにより,スポーツ選手の心理面の強化に役立つものと考えられる。それぞれの特徴は以下のとおりである。 1.心理的競技能力診断検査(DIPCA.2,Diagnositic Inventory of Psychological Competitive Abitity for Athletes) 特色:スポーツ選手の一般的な心理的傾向としての心理的競技能力(通称,精神力)を12の内容(忍耐力,闘争心,自己実現意欲,勝利 意欲,リラックス能力,集中力,自己コントロール能力,自身,決断力,予測力,判断力,協調性)に分けて診断する。スポーツ選手としての心理面の長所・短所を診断できる。メンタル強化の第1歩となる。検査方法:スポーツの試合場面について52個の質問を順々に読み,回答欄に答えを記入する。 検査対象:中学・高校・大学・社会人のスポーツ選手 検査時間:約15分間 2.試合前の心理状態診断検査(DIPS-B.1,Diagnositic Inventory of Psychological State Before Competition) 特色:試合前の心理的な状態を診断することができる。とくに試合に向けて十分な心理的準備(忍耐度,闘争心,勝利意欲,自己実現 欲,リラックス度,集中度,自信,作戦思考度,協調度)が,できているかをチェックし,心理的コンディショニングを指導できる。 検査方法:試合前1か月位から1〜2日前までの期間に,試合についての気持ちを20個の質問でチェックする。 検査対象:中学・高校・大学・社会人のスポーツ選手 検査時間:5〜10分 3.試合中の心理状態診断検査(DIPS-D.2,Diagnositic Inventory of Psychological State During Competition) 特色:望ましい心理状態で試合ができたかどうかを,試合終了後にチェックする。また,目標の達成度,実力発揮度の自己評価を調査 する。常に望ましい心理状態で試合ができ,実力発揮度が高くなり,その確率が安定するように指導できる。 検査方法:試合終了後に試合中の心理状態について10個の質問に答える。検査対象:中学・高校・大学・社会人のスポーツ選手 検査時間:約5分間