著者
Hiroshi ITOH Tomohiro KONO Kenji ICHINOE
出版者
Japan Poultry Science Association
雑誌
Japanese poultry science (ISSN:00290254)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.113-119, 1985-05-25 (Released:2008-11-12)
参考文献数
25
被引用文献数
1

雄ホロホロ鳥における繁殖能力の,年間を通じての推移を明らかにする目的で,交尾器の大きさ,精液量,精子濃度および血漿テストステロン濃度を1年間測定した。1. 交尾器の大きさは9月初旬まで徐々に増大し,換羽期において一度縮小したが,その後再び増大して12月下旬以降は成熟した大きさを維持した。また,交尾器の大きさと日長,気温および血漿テストステロン濃度とのいずれとも,有意な相関関係は認められなかった。2. 精液量および精子濃度は4月より上昇し,5月下旬から10月上旬にかけて高い値を維持した(精液量:9~38μl,精子濃度:6.51~29.9億/ml)。その後,換羽期と1月から2月にかけての期間において低い値を示し118 日本家禽学会誌22巻3号(1985)た。3. 血漿テストステロン濃度の推移は,日長の変化とよく対応したものであり,最高値(2.95±0.81ng/ml)および最低値(0.12±0.02ng/ml)は,それぞれ7月上旬と9月下旬の換羽初期に認められた。また,繁殖期,非繁殖期および換羽期における血漿テストステロン濃度の平均値は,それぞれ1.25±0.12ng/ml, 0.64±0.05ng/mlおよび0.20±0.05ng/mlであり,各値間には有意(P<0.01)差が認められた。4.日長,気温および血漿テストステロン濃度と各測定項目間の相関係数は表1に示した。