著者
辻村 優英 ツジムラ マサヒデ Tsujimura Masahide
出版者
「宗教と社会貢献」研究会
雑誌
宗教と社会貢献 (ISSN:21856869)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.17-40, 2012-10

本稿では、ダライ・ラマ14 世の諸々の発言から、「宗教と社会貢献」にかんする見解を浮き彫りにすることを目的としている。ダライ・ラマ14 世は「宗教」(religion)と「スピリチュアリティ」(spirituality)とを区別しつつ「普遍的宗教」(universal religion)がすべての人々に必要であるとした。その核心は「利他心」である。また、彼のいう利他主義は、は「賢明な自己利益」(wise self-interest)という言葉によって特徴づけられるものであり、他者の利益の実現のうちに自己利益を見出すものである。