著者
内沢 達 Uchizawa Tatsushi
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿児島大学教育学部研究紀要 教育科学編 (ISSN:09136606)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.149-182, 2009

1996 年9 月18 日,鹿児島県知覧町(現・南九州市)立知覧中学校3 年村方勝己君が「おれが死ねばいじめは解決する」という悲しい遺書を残して自殺した。当時あいついで起こったいわゆる「いじめ自殺」事件のひとつである。この事件は遺された両親を中心にいじめの実態解明がすすみ,さらなる真相解明のためにと両親は原告となって損害賠償請求訴訟を起こした。本稿の大半は筆者が事件の構造や教訓を陳述書としてまとめ,原告が鹿児島地方裁判所に書証として提出したものである。本稿の要約は陳述書の目次をもって代えさせていただきたい。