著者
VANGOETHEM ELLEN
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

風水における景観上での四神の表現方法に関する比較研究である。最古記録では、四神に対応する地形的な特徴は不明瞭なままである。後に、二つの共存する風習が、風水の中で、発達してきたようである。一つでは、自然地形の存在が強調され、四神は山などの地形として表現された。もう一つでは、それぞれの四神について、異なる自然的・人為的な地形的特徴の存在が必要とされていた。本研究では、後者の風習に注目した。文書資料の調査に基づいて、四神相応の思想の起源と発展をさかのぼり、異なる記録に関する基礎分析を行った。そして、「四神相応が宮都の位置の決定過程において利用されていた」という一般的な認識に対し、異議を唱えた。