著者
池庄司 敏明 Yap Han Heng
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.213-217, 1990
被引用文献数
16

1989年8月5日から18日までマレーシア, ペナン市の2haの果樹園に, d-cyphenothrin 50ng/(cm)^2を処理し, スピーカを付けた黒色ポリエチレン膜トラップ15個を設置し, ヒトスジシマカの駆除を試みた。駆除前後の個体数を標識放飼法と粘着トラップ法で推定比較したところ, 雌80.9%, 雄75.5%が駆除されていた。高率の雌駆除率は受精率を57%から100%へ増加させた。この期間, 無処理区の個体数に大きな変動はなかった。本種の駆除効率を高めるためには, 中距離誘引物質の開発と高濃度の薬剤処理が必要である。