著者
三宅(志柿) 禎子 Yoshiko MIYAKE(SHIGAKI) 岩手県立大学社会福祉学部 FACULTY OF SOCIAL WELFARE IWATE PREFECTURAL UNIVERSITY
出版者
岩手県立大学社会福祉学部
雑誌
岩手県立大学社会福祉学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Social Welfare, Iwate Prefectural University (ISSN:13448528)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.27-34, 2003-03-30

プエルトリコでは,女性問題解決に向けて女性たちが連帯することを最優先し,既成の政党政治の在り方に対し距離を置くようになった。このような勢力が,植民地に関する議論や政党政治の政策に大きく影響を与えた。しかし,米国本土におけるプエルトリコ女性においては,同様の政治的影響力を明確に見出すことはできない。しかし,マイノリティグループとして草の根運動のレベルで白人中心主義の政策や女性解放運動に異議を唱えている。また,プエルトリコとは異なる環境に生きるプエルトリコ人女性はそのナショナル・アイデンティティも現実に見合った多様なものに変容しており,それがこれまでのネイション,ステイト,アイデンティティの概念に新たな視点を提供している。