著者
山下 由美子 Yumiko YAMASHITA
出版者
創価大学日本語日本文学会
雑誌
日本語日本文学 = Studies in Japanese Language and Japanese Literature (ISSN:09171762)
巻号頁・発行日
no.28, pp.57-71, 2018-03-18

学生のレポートにおける話し言葉の出現傾向を探るため,レポートの書き方に関する書籍で扱われる話し言葉を一覧表にまとめ,「学術文章作法Ⅰ」で課したレポートから出現数を調査した。最も多く出現したのは,接続表現の「そして」である。理由として,それを話し言葉と断定し,対応する書き言葉を明確に示しにくいことから,学生達は書き言葉であると認識し使用していると思われる。「じゃあ」「超」「~ちゃった」など口語としての話し言葉は全く出現していないため,ある程度は話し言葉と書き言葉の区別は身についていると言える。また,「ほとんど」「~と~」等,話し言葉と書き言葉の境界線があいまいなものも調査から明らかとなった。